« 検索結果一覧に戻る  
パラコートジクロライドICSC: 0005 (6月 2012)
パラコート
パラコートジクロリド
メチルビオローゲン
CAS登録番号: 1910-42-5
国連番号: 2781
EINECS番号: 217-615-7

  一次災害 予防 消火活動
火災・爆発 不燃性。 火災時に、刺激性あるいは有毒なフュームやガスを放出する。        周辺の火災時には、適切な消火剤を使用する。   

 粉塵の拡散を防ぐ! 作業環境管理を厳密に!  
  症状 予防 応急処置
吸入 咳。 咽頭痛。 頭痛。 鼻出血。  局所排気、または呼吸用保護具を使用する。  新鮮な空気、安静。 直ちに医療機関に連絡する。 
皮膚 発赤。  保護手袋。 保護衣。  汚染された衣服を脱がせる。 洗い流してから水と石鹸で皮膚を洗浄する。 
充血。 灼熱感。 痛み。  粉末の場合には呼吸用保護具と併用して、顔面シールドまたは眼用保護具を着用する。  数分間多量の水で洗い流す(できればコンタクトレンズをはずす)。 直ちに医療機関に連絡する。 
経口摂取 咽頭痛。 腹痛。 吐き気。 嘔吐。 下痢。 「注」参照。
 
作業中は飲食、喫煙をしない。 食事前に手を洗う。  口をすすぐ。 コップ1、2杯の水を飲ませる。 水に活性炭を懸濁した液を飲ませる。 直ちに医療機関に連絡する。 

漏洩物処理 分類・表示
・専門家に相談する!
・個人用保護具:自給式呼吸器付化学保護衣
・この物質を環境中に放出してはならない
・漏れた液やこぼれた液を、密閉式の容器にできる限り集める
・残留液を、砂または不活性吸収剤に吸収させる
・地域規則に従って保管・処理する
・こぼれた物質を、ふた付きの 密閉式容器内に掃き入れる
・湿らせてもよい場合は、粉塵を避けるために湿らせてから掃き入れる
・残留分を、注意深く集める
・地域規則に従って保管・処理する
 

国連GHS判定基準に準拠

skull;toxiccancer;health hazenviro;aqua
注意喚起語:危険
吸入すると、生命に危険
飲み込むと有毒
皮膚に接触すると有害のおそれ
軽度の皮膚刺激
重度の眼刺激
肺、腎臓、肝臓および心血管系の障害
呼吸器への刺激のおそれ
長期的影響により、水生生物に非常に強い毒性 

輸送
国連分類
国連危険物分類(UN Hazard Class):6.1; 国連包装等級(UN Packing Group):I 

貯蔵
・換気のよい部屋に保管
・密封
・食品や飼料から離しておく
・消火により生じる流出物を収容するための用意
・排水管や下水管へのアクセスのない場で貯蔵する
 
包装
・破損しやすい包装のものは密閉式の破損しない容器に入れる
・食品や飼料と一緒に輸送してはならない 
パラコートジクロライド ICSC: 0005
物理学的・化学的情報

物理的状態;外観
無色の 吸湿性の結晶。 

物理的危険性
 

化学的危険性
300℃以上で分解する。 窒素酸化物および塩化水素などの有毒なフュームを生じる。 金属類を侵す。 

化学式: C12H14Cl2N2 / CH3(C5H4N)2CH3・2Cl
分子量: 257.2
・300℃で分解する
・密度:1.24 g/cm³
・水への溶解度(20℃) :62 g/100 ml
・蒸気圧:<0.0001 Pa (25℃)
・log Pow (オクタノール/水分配係数):-4.5  


暴露・健康への影響

曝露経路
体内への吸収経路:エアロゾルの吸入、経皮および経口摂取。 

短期曝露の影響
本物質は、眼を重度に刺激する。 本物質は、気道を刺激する。 本物質は、皮膚を軽度に刺激する。 高濃度で吸入した場合や、大量に経口摂取した場合は、肺、腎臓、肝臓、心血管系に影響を与えることがある。 機能障害および出血や肺線維症などの組織損傷を生じることがある。 高濃度に曝露すると、死を引き起こすことがある。 医学的な経過観察が必要である。 これらの影響は、遅れて現われることがある。 

吸入の危険性
20℃ではほとんど気化しない。しかしとくに粉末状の場合、噴霧もしくは拡散すると、浮遊粒子が急速に有害濃度に達することがある。 

長期または反復曝露の影響
反復または長期の皮膚への接触により、皮膚炎を引き起こすことがある。 爪に影響を与えることがある。 爪の損傷を生じることがある。 


許容濃度
TLV: (カチオンとして) 0.05 mg/m3 (TWA); (皮膚); A4(人における発がん性が分類できていない物質) 

環境
・水生生物に対して強い毒性がある
・水生環境中で、長期にわたる影響を及ぼすことがある
・通常の使用法でも、環境中へ放出される
・不適切な廃棄などによる、さらなる放出を避けるよう十分注意すること
 

・毒性についての情報は、パラコート(CAS番号4685-14-7)と同じである
・曝露の程度によっては、定期検診を勧める
・肺線維症(息切れ、呼吸困難)の症状は数日経過するまで現われない
・したがって、安静と経過観察が不可欠である
・作業衣を家に持ち帰ってはならない
・市販の製剤に用いられている溶剤が、この物質の物性および毒性を変化させることがある
・製剤に溶剤が使用されている場合は、その溶剤のICSCも参照のこと。 

付加情報
  欧州分類
記号:T+, N; R:24/25-26-36/37/38-48/25-50/53; S:(1/2)-22-28-36/37/39-45-60-61 

ILO, WHOおよびEUは、翻訳の質や正確性、あるいは本翻訳版の使用に関して責任を負うものではない。
© 日本語版、国立医薬品食品衛生研究所、2021